星那はゆっくり綺羅を地面へ寝かせた。

震える手で前髪をそっと払う。


星那「……待ってて。」


小さく呟くと、静かに立ち上がった。

その姿を見た黒焔の下っ端は鼻で笑う。


黒焔の下っ端「なんだよ、その目。次はお前が──」


最後まで言葉は続かなかった。

ドゴッ!!

星那の拳が男の顔面へめり込む。

男の身体は数メートル吹き飛び、そのまま地面へ叩きつけられた。

誰も反応できなかった。

あまりにも速くてあまりにも重かった。

星那は倒れた男を一度も見ない。

そのまま皇蓮司だけを見据える。

皇蓮司は少し驚いたように目を細めた。


皇蓮司「……へぇ。面白ぇ。」


星那は何も答えない。

ただ一歩。また一歩と皇蓮司へ近付いていった。