真尋「……っ!!」


那瑠「星那……?」


綾人も紫月も、信じられないものを見るように星那を見つめる。

いつも眠そうで感情を表へ出さない星那。

その星那が、喉が裂けるほどの声で叫んでいた。

星那は立ち上がると、一瞬で綺羅の前へ駆け寄る。

綺羅の身体を抱き起こす。


星那「綺羅……!綺羅っ!」


返事はない。

綺羅は苦しそうに息をしている。

背中からは赤い血がゆっくりと滲んでいた。

星那の手が震える。

綺羅の身体を抱き締める腕にも力が入る。


星那「嫌だ……お願い……目を開けて……。」


涙が一滴、綺羅の頬へ落ちた。

その様子を見ていた皇蓮司は、小さく口元を歪める。


皇蓮司「面白ぇな。今度は、お前が守られた側か。」


その言葉を聞いた瞬間。

星那はゆっくり顔を上げる。

眠そうだった瞳はもうどこにもない。

そこにあったのは――。

今まで誰も見たことのない、静かで底知れない怒りだった。