星那「綺羅ぁっ!!」
今まで誰も聞いたことがないほど大きな声が、夜の工場に響き渡った。
その声に綺羅が反射的に振り返る。
視界に飛び込んできたのは、自分へ向かって走ってくる星那。
そして、そのさらに後ろ。
鉄パイプを大きく振り上げた黒焔の下っ端。
綺羅は一瞬で全てを理解した。
(だめ……。)
脳裏に、あの日の光景が蘇る。
自分を庇い、血を流して倒れた琉羽。
『綺羅……生きろ。』
あの時の後悔。あの時の絶望をもう二度と味わいたくない。
もう二度と、大切な人を目の前で失いたくない。
綺羅「星那っ!!」
綺羅は皇蓮司から目を離し、一直線に星那へ駆け出した。
星那も綺羅を守ろうと手を伸ばす。
二人の距離が一気に縮まる。
綺羅は星那の肩を力いっぱい押した。
綺羅「来るなぁっ!!」
星那の身体が勢いよく横へ弾かれる。
その直後だった。



