工場の中央。

ゆっくりと一人の男が姿を現した。

銀色の髪。

左目の下に走る傷。

皇蓮司だった。


皇蓮司「……随分派手に来たじゃねぇか。」


綺羅の足が止まる。

五年間追い続けた男。

忘れることなど、一度もなかった。

綺羅はゆっくり前へ歩き出す。


綺羅「皇……蓮司。」


皇蓮司は綺羅を見ると、口元を歪めて笑った。


皇蓮司「久しぶりだな。――月華。」


その呼び名を聞いた瞬間。

綺羅の瞳から迷いが消える。


綺羅「その名前を呼ぶな。」


皇蓮司「夜桜はいねぇのか?今日は一人か?」


その言葉に、綺羅の拳が震えた。

怒りで悲しみで震えが止まらない。


綺羅「……黙れ。お前だけは絶対に、この手で終わらせる。」


その言葉と同時に綺羅は地面を蹴った。

三年越しの復讐が、ついに始まる。