綺羅は袋からおにぎりを取り出し、ゆっくり包装を開けた。

一口食べる。

久しぶりに感じる温かさだった。


綺羅「……美味しい。」


その言葉を聞いて、星那は安心したように小さく息を吐く。

その様子を見ていた真尋は苦笑した。


真尋「星那。」


星那「?」


真尋「お前さ綺羅のことになると行動早ぇよな。」


星那は少しだけ考え込む。

そして眠そうな顔のまま答えた。


星那「……そう?」


那瑠「自覚ねぇのか。」


綾人「重症だな。」


何を言われているのか分からない星那は、小さく首を傾げるだけだった。

その姿がおかしくて、綺羅は思わず吹き出す。

綺羅が笑う。

それを見て星那も少し笑う。

その光景に、真尋達も自然と笑みを浮かべていた。

張り詰めていた空気は、ほんの少しだけ和らいだ。