真尋は額へ手を当て、大きくため息をついた。


真尋「お前なぁ……。」


那瑠「だからそんな顔色悪かったのか。」


綾人「無茶しすぎだ。」


綺羅は何も言い返せない。

復讐のことしか考えていなかった。

食事も睡眠も全部後回しだった。

その時星那が静かに立ち上がった。

何も言わず部屋を出て行く。

綺羅は不思議そうに後ろ姿を見送った。

数分後。

ガチャッ。

扉が開く。

戻ってきた星那の手には、小さなビニール袋があった。

中にはコンビニのおにぎりと温かいお茶。

星那は綺羅の前まで歩いてくる。

そして、そのまま袋を差し出した。


星那「食べて。」


綺羅は目を丸くする。


綺羅「……私に?」


星那は小さく頷く。


星那「うん。倒れたら困る。」

その一言に、綺羅は思わず笑ってしまった。


綺羅「ありがとう。」


袋を受け取ると、まだほんのり温かかった。

胸まで温かくなるような気がした。