真尋は静かに綺羅の前まで歩いてくる。


真尋「綺羅。」


綺羅は顔を上げた。


真尋「俺達は煌月だ。仲間だろ。なんで頼らなかった。」


責めるような口調ではなかった。

悲しそうな声だった。

綺羅は唇を噛む。


綺羅「……巻き込みたくなかった。これは私と琉羽の問題だから。」


その言葉に、部屋は静まり返る。

紫月は静かに口を開く。


紫月「違う。」


綺羅は紫月を見る。


紫月「綺羅一人の問題じゃない。お前が傷付けば、俺達も傷付く。星那も。」


その名前に、綺羅はゆっくり膝へ視線を落とした。

安心しきった表情で眠る星那。

自分の服を握ったまま離そうとしない手。

綺羅の胸が締め付けられる。


綺羅「……ごめん。」


小さく零れた謝罪に、真尋は優しく笑った。


真尋「だったら、次は一人で行くな。」


綺羅は少しだけ目を潤ませながら、小さく頷いた。


綺羅「……うん。」


その返事を聞いて、真尋達はようやく安堵したように笑った。

個室には再び静かな時間が流れ始める。

膝の上では、星那が安心したように穏やかな寝息を立て続けていた。