部屋の中には静かな時間が流れていた。

綺羅は膝の上で眠る星那を見つめながら、何度も前髪を優しく撫でる。

そのたびに星那の表情は穏やかになり、小さな寝息だけが聞こえていた。


綺羅「……ほんとによく寝る。」


思わず笑みがこぼれる。

数日前まで、眠そうな人だとしか思っていなかった。

でも今は違う。

この寝顔が、どれだけ安心しきっているのか。

どれだけ自分を信頼してくれているのか。

少しだけ分かる気がした。

その時星那が小さく眉を寄せる。


綺羅「……星那?」


一瞬だけ苦しそうな表情になる。

綺羅は反射的に頭を優しく撫でた。


綺羅「大丈夫。私はどこにも行かない。」


その言葉を聞いたかのように、星那の表情から力が抜ける。

安心したように小さく息を吐き、また静かな寝息へ戻った。

その様子を見ていた真尋は、小さく笑う。


真尋「すげぇな。」


那瑠「綺羅の声だけで落ち着くんだ。」


紫月は静かに目を閉じ、小さく頷いた。


紫月「……だから言った。」