部屋には静かな時間が流れていた。

窓から差し込む夕日が、星那の寝顔を優しく照らしている。

綺羅はその寝顔を見つめながら、小さく呟いた。


綺羅「……私がいなくなったせいだよね。」


胸が締め付けられる。

復讐しか見えなくなっていた数日間。

その間に、こんなにも星那を追い詰めてしまっていた。

真尋は静かに息を吐く。


真尋「綺羅。」


綺羅は顔を上げた。

真尋は少しだけ困ったように笑う。


真尋「お前が悪いってわけじゃねぇ……ただ。」


言葉を切り、眠る星那へ目を向ける。


真尋「星那は昔から、安心して眠れる奴じゃなかった。」


綺羅「え……?」


綾人は静かに頷く。


綾人「理由は俺達の口からは話せない。」


那瑠「本人が話したくない過去だから。」


部屋に小さな沈黙が流れる。

その沈黙を破ったのは紫月だった。


紫月「でも、一つだけ言える。」


紫月は穏やかな寝顔を見つめ、小さく目を細める。


紫月「星那が、こんな顔で眠るようになったのは綺羅、お前に出会ってからだ。」


綺羅はゆっくり視線を落とす。

膝の上では、安心しきった表情で眠る星那。

その寝顔を見つめながら、綺羅はそっと前髪を撫でた。


綺羅「……ちゃんと隣にいるから。」


その優しい声に応えるように、星那は眠ったまま小さく綺羅の服を握り直した。