綺羅は星那を背負い、ゆっくり歩き始めた。

こんな場所へ一人残すわけにはいかない。

行く場所は決まっていた。

煌月の倉庫。

真尋達ならきっと事情が分からなくても、まず星那を休ませてくれる。

背中からは静かな寝息が聞こえてくる。

綺羅は小さく笑った。


綺羅「ほんと……安心したら寝るんだ。」


数日前に肩にもたれて眠っていた時と同じ寝顔だった。

あの時は可愛いと思った。

でも今は違う。

この寝顔の裏に、どれだけ無理をしてきたのかを知ってしまったから。


綺羅「私のせいだよね……。」


答える人はいない。

星那は綺羅の背中へ額を預けたまま、静かに眠り続けていた。