星那は綺羅の問いには答えなかった。

ただ、綺羅の顔を見つめる。

何日も探し続けた。

学校にもいない。

倉庫にも来ない。

電話も繋がらない。

どこにいるのかも分からなかった。

やっと見つけた。

その安心感だけで十分だった。

ふっと、星那の身体が揺れる。


綺羅「星那?」


一歩前へ踏み出した瞬間。

星那の膝から力が抜けた。


綺羅「星那!!」


慌てて腕を伸ばし、その身体を抱き留める。

星那は綺羅へ寄り掛かったまま、小さく笑った。


星那「……安心した。」


綺羅「え……?」


星那「見つけたから。」


その声は、今にも眠ってしまいそうなくらい弱々しかった。

次の瞬間星那から完全に力が抜ける。

眠るように静かに意識を失った。


綺羅「星那!? 星那!!」


何度呼んでも返事はない。

抱き留めた身体は熱を持ち、ひどく疲れ切っているのが伝わってくる。

綺羅は星那の寝顔を見つめながら、胸が締め付けられた。

綺羅(……私のせい。)

復讐しか見えていなかった。

黒焔しか見えていなかった。

でも。

自分が姿を消した数日間。

こんなにも必死に探してくれる人がいた。

その事実が、綺羅の心を大きく揺さぶっていた。