夕方。

綺羅は屋上から降りようとしていた。

今日も収穫は少ない。

皇蓮司は現れなかった。


綺羅「……明日も来る。」


そう決め、階段を下り始める。

その時だった。

ブォォォン――。

数台のバイクがアジトの前へ止まる。

綺羅は咄嗟に身を隠した。


黒焔の下っ端A「急げ!」


黒焔の下っ端B「総長が来る前に準備終わらせろ!」


その一言に、綺羅の身体が止まる。

(総長……。)

鼓動が一気に速くなる。

黒焔の下っ端達は慌ただしく工場の中へ入っていく。

綺羅はゆっくり壁にもたれ、小さく息を吐いた。


綺羅「……やっと動く。」


その瞳に宿る復讐の炎は、今までで一番強く燃えていた。

そしてその頃。

誰も知らない場所で、運命はもう一人を綺羅の元へ導こうとしていた。