同じ頃。

月ヶ瀬学園では朝のホームルームが始まっていた。

桐斗は出席簿へ目を落とし、一人ずつ名前を呼んでいく。


切り「……綺羅。」


返事はない。

教室は静かなまま。

桐斗は小さく息を吐いた。


桐斗「今日も欠席か……。」


四日連続。

綺羅を昔から知る桐斗だからこそ分かる。

あの子は理由もなく学校を休む人間じゃない。

脳裏をよぎるのは、数日前に真央から聞かされた話。

『黒焔がこの街にいる。』

『綺羅は琉羽の仇を探していた。』

桐斗は無意識に拳を握る。

(まさか、一人で……。)

嫌な予感だけが胸を締め付けた。

窓際の席では、星那がぼんやり綺羅の机を見つめていた。

誰もいない席。

四日間、変わらない景色。

星那は小さく目を伏せる。

それから静かに机へ突っ伏した。

眠ろうと目を閉じる。

けれど数秒後には、またゆっくり目を開けていた。

眠い。

身体は限界なはずなのに。

どうしても眠れなかった。