歩道橋を降りても、二人はそのまま並んで歩いていた。
夕日は少しずつ沈み始め、街灯がぽつり、ぽつりと灯り始める。
さっきの星那の言葉が、綺羅の頭から離れない。
『綺羅がいるから。』
何気なく言っただけなんだろう。
本人には深い意味なんてない。
そう分かっているのに、胸の鼓動だけはなかなか落ち着かなかった。
星那はそんな綺羅の気持ちなど知らず、小さく欠伸をする。
星那「……ふぁ。」
綺羅は思わず笑った。
綺羅「また眠いの?」
星那「うん。」
綺羅「今日いっぱい寝たじゃん。」
星那は少しだけ考え込み、眠そうな目のまま答える。
星那「綺羅の隣だから、寝れた。だから、また眠い。」
その返事に綺羅は吹き出した。
綺羅「それ、どういう理屈なの。」
星那「分かんない。」
真顔で返され、綺羅は肩を震わせながら笑う。
綺羅「ほんと不思議な人。」
そう呟くと、星那も少しだけ口元を緩めた。



