しばらくして。

星那がゆっくりと目を開けた。

ぼんやりと天井を見つめる。

そして、また自分が綺羅へ寄り掛かったまま眠っていたことに気付いた。


星那「……。」


数回瞬きを繰り返す。

ゆっくり身体を起こした。


星那「ごめん。」


珍しく、最初に出た言葉は謝罪だった。

綺羅は少し驚いたあと、優しく笑う。


綺羅「謝らなくていいよ。ちゃんと眠れた?」


星那は少しだけ考える。

それから静かに頷いた。


星那「うん。……なんか安心した。」


その一言に、綺羅は少しだけ照れくさそうに笑う。


綺羅「それならよかった。」


星那は綺羅をじっと見つめる。

その視線には、本人も気付いていない安心感が宿っていた。

離れた場所でその様子を見ていた紫月は、小さく目を細める。

紫月(……少しずつ、変わってきたな。)

その変化に気付いているのは、まだ煌月のみんなだけだった。

けれど、その小さな変化は、これから二人の関係を少しずつ動かしていくことになる。