「いやいやいや!お前それだけ!?」

翔の声が教室に響く。

だけど星那は返事をしなかった。

再び机に突っ伏したまま微動だにしない。

寝たらしい。起きてから一分も経ってない気がするんだけど。


翔「気にすんな。星那はいつもあんな感じだから」


翔が苦笑しながら言う。


綺羅「そうなんだ」


翔「むしろ今日は反応した方」


それは本当なんだろうか。私には違いが分からない。

だって、『ふーん』しか言ってない。反応したうちに入るのかな。少し疑問だった。


翔「まぁ、あいつ女子とか興味ないし」


翔が何気なく言う。

私は「へぇ」とだけ返した。

別に興味はない。誰が何に興味を持とうが自由だと思う。

ただ、少しだけ納得した。だからあんなに興味なさそうだったのか。

周りの男子達は私が来てからずっと騒いでいるのに、星那だけは最初から最後まで同じだった。

嬉しそうでもない、驚いてもないし興味もなさそう。

まるで私なんて最初からいなかったみたいな扱いだったな。

それはそれで少し珍しかった。

まぁ、だからどうしたって話だけどね。

どうせ関わる事もないだろうし私はもう裏の世界に戻る気はない。

暴走族も喧嘩もそういうもの全部に関わらないと決めたんだから。

窓の外へ視線を向けると綺麗な青空が広がっていた。

その時だった。


翔「綺羅ー」


翔がまた声を掛けてくる。

ほんとうに元気だな。まだ会って数十分も経ってないのに。

少しだけ笑いそうになった。