どれくらい時間が経っただろう。

ゲームが終わった真尋が大きく伸びをする。


真尋「終わったー。」


那瑠「腹減った。」


綾人「お前さっきも言ってた。」


三人が笑う。

その声に反応するように、星那がゆっくり目を開けた。

ぼんやりと周りを見渡す。

そして、自分が綺羅へ寄り掛かっていることに気付いた。

数秒。

沈黙。

綺羅は慌てて笑う。


綺羅「お、おはよう。」


星那は身体を起こすと、小さく瞬きをした。


星那「……寝た。」


綺羅「うん、ぐっすり。」


そう答えると、星那は少しだけ綺羅を見つめる。

そして。


星那「肩。」


綺羅は首を傾げた。


綺羅「肩?」


星那「貸してくれて、ありがと。」


短い一言。

でも、その声はいつもより少しだけ優しかった。

綺羅は照れくさそうに笑う。


綺羅「どういたしまして。」


その笑顔を見た星那は、安心したように小さく目を細めた。

その穏やかな空気を見つめながら、紫月は静かに本を閉じる。


紫月「……そろそろ帰るか。」


その一言で、穏やかな放課後の時間はゆっくりと終わりを迎えた。