静かな時間が流れる。
綺羅は肩へ頭を預けたまま眠る星那を見つめ、小さく息を吐いた。
(昨日までは、こんな距離じゃなかったのに。)
初めて会った時は、ほとんど話もしなかった。
いつも眠そうで、何を考えているのか分からない人。
それが今では、こうして安心したように眠っている。
(不思議だな。)
ほんの数日なのに。
距離が縮まるのは、あっという間だった。
その時星那が小さく眉を寄せる。
何か夢でも見ているのか、苦しそうに息を漏らした。
星那「……っ。」
綺羅は心配そうに顔を覗き込む。
綺羅「星那……?」
返事はない。
そっと毛布を掛け直してあげる。
すると星那の表情が少しだけ和らいだ。
綺羅は安心したように微笑んだ。
綺羅「よかった。」
その優しい声は、星那には届いていなかった。



