真尋達は何も言わず、カードゲームを続けていた。
さっきまで賑やかだった倉庫も、少しだけ静かになる。
綺羅は肩へ伝わる温もりに視線を落とした。
星那は安心しきった表情で眠っている。
長い前髪が少しだけ目に掛かり、寝息に合わせて僅かに揺れた。
(……ほんとによく寝るなぁ。)
思わず小さく笑う。
こんなに無防備で大丈夫なのだろうか。
少しだけ前髪を整えてあげようと手を伸ばす。
けれど、触れる寸前で止めた。
(……起きちゃうか。)
そう思い、手を引っ込める。
その時星那が小さく身体を動かした。
綺羅は反射的に肩へ力を入れる。
落ちないように起こさないように。
自然と支えるような体勢になっていた。
真尋「綺羅。」
突然名前を呼ばれ、綺羅は肩を震わせる。
綺羅「な、なに?」
真尋はニヤッと笑った。
真尋「そのままだと動けないだろ。」
綺羅は苦笑する。
綺羅「……うん。起きちゃいそうだから。」
その返事に、真尋は優しく笑った。
真尋「なら、そのままでいい。」
からかうような言い方ではなかった。
本当にそれだけ言うと、またカードへ視線を戻した。



