翔「ちなみに総長は――」


翔が何か説明しようとするから手で制した。


綺羅「いい」


翔「え?」


綺羅「興味ない」


翔が口を開いたまま固まり周りも静かになる。

そんなに驚く事?

むしろ興味ある方がおかしいと思う。だって自分達に全然関係なくない?


翔「いや、でも知っといた方が――」


綺羅「別に関わらないし」


そう言うと翔は何とも言えない顔をした。

私はもう裏の世界には戻らない。

喧嘩もしない。

族にも入らない。

関わらない。

そう決めたんだから総長が誰でも関係ない。

副総長が誰でも関係ない。

そう思いながら窓の外へ視線を向ける。

青い空に穏やかな風。

普通の学校生活。

私が欲しかったもの。




そのはずだった。


?「……うるさい」


低い声が聞こえたのはその時だった。

教室の空気がぴたりと止まる。

聞き間違いかと思った。

だけど違う。

確かに聞こえた。

私はゆっくり隣を見る。

さっきまで机に突っ伏していた星那が、少しだけ顔を上げていた。