綺羅はゆっくり空を見上げる。

夕日が少しずつ沈んでいく。


綺羅「……私ね。」


星那は黙って聞いている。


綺羅「復讐だけを考えて生きてきた。琉羽の仇を討つこと。それだけだった。」


小さく笑う。

でも、その笑顔は悲しかった。

綺羅「なのに学校へ行ってみんなと笑ってご飯食べて……少しだけ幸せだって思っちゃった。」


その言葉に、星那はゆっくり綺羅を見る。

綺羅は俯いたまま続けた。


綺羅「そんな自分が許せなかった。琉羽は苦しんで死んだのに。私だけ笑っちゃ駄目なのに。」


声が震える。

星那は静かに綺羅の隣へ少しだけ近付いた。

肩と肩が触れそうな距離。

それでも何も言わない。

励ましもしない。

説教もしない。

ただ、綺羅が一人じゃないと伝えるように。

静かに、その隣に座り続けた。