夕暮れの河川敷。

川の流れる音だけが静かに響いていた。

綺羅は土手へ座り込み、膝を抱えていた。

目の前には、茜色に染まる空。

ここは昔、琉羽と何度も来た場所だった。

喧嘩に勝った日も負けて落ち込んだ日も何もない日もいつも二人でここへ来て、夕日を眺めていた。


綺羅「……。」


拳を握り締める。

胸の奥が苦しい。

(黒焔。)

(皇蓮司。)

(この街にいたんだ。)

今までどれだけ探しても見つからなかった。

それなのに、すぐ近くにいた。

知らなかったし気付けなかった。

綺羅は唇を強く噛み締めた。


綺羅「……琉羽。」


小さく名前を呼ぶ。

返事は、もうどこにもない。

その時後ろからゆっくり足音が聞こえてきた。