琉羽は残った力を振り絞り、綺羅の手を強く握る。


琉羽「綺羅。生きろ。」


たった3文字。

だけど、その言葉には琉羽のすべてが込められていた。


綺羅「嫌だ……一人にしないで……お願いだから……。」


琉羽はゆっくりと首を横へ振る。


琉羽「お前は……ちゃんと笑える奴だから。誰かを守れる奴だから。だから……俺の分まで、生きて。」


その言葉を最後に。

綺羅の手を握っていた力が、ゆっくりと抜けていく。


綺羅「……琉羽?」


返事はない。


綺羅「ねぇ。琉羽。返事してよ……。」


肩を揺する。

何度も。何度も。

それでも琉羽が目を開けることはなかった。

その瞬間。

綺羅の悲痛な叫びが、廃工場中へ響き渡った。


綺羅「――――あぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」


その叫びは、三年経った今でも綺羅の心から消えることはなかった。