綺羅は何度も首を横へ振る。


綺羅「違う……!そんなことない!私、一人じゃ何もできなかった!いつも琉羽がいてくれたじゃん!」


涙が次々と溢れて止まらない。

琉羽はゆっくりと綺羅の頬へ手を伸ばした。

血で汚れた手。

それでも、その手は昔と変わらず優しかった。

琉羽「綺羅。泣くな。」


綺羅「無理だよ……こんなの……無理……。」


嗚咽混じりの声が漏れる。

琉羽は苦しそうに息を吐きながら、それでも綺羅から目を逸らさなかった。


琉羽「約束して。」


綺羅は何度も首を振る。


綺羅「嫌だ。そんな約束聞きたくない。一緒に帰るって約束したじゃん!クレープも食べに行くって言ったじゃん!まだ何もしてないじゃん!」


子どものように泣きじゃくる綺羅を見て、琉羽は少しだけ目を細めた。

その笑顔が、綺羅には何より苦しかった。