真央はゆっくりと目を開いた。


真央「綺羅が着いた時には……。」


その先を言うのが苦しいのか、一度だけ言葉を詰まらせる。

倉庫には誰一人として声を出す者はいなかった。


真央「夜桜は、もう全身傷だらけだった。」


制服は血で赤く染まり、腕も足も傷だらけ。

それでも皇蓮司だけを睨み続けていた。


綺羅「琉羽ッ!!」


綺羅は叫びながら駆け出した。

その声を聞いた夜桜が、ゆっくり振り返る。


琉羽「……なんで来た。」


苦しそうに笑う。

綺羅は涙を堪えながら琉羽の前へ立った。


綺羅「一人で行くなって言ったじゃん!約束なんか知らない!二人で帰るって約束しただろ!!」


琉羽は困ったように笑った。

その笑顔は、どこか安心したようにも見えた。


琉羽「……ごめん。」


そのたった一言が、綺羅には何より苦しかった。