男達が一斉に振り返る。


男①「……誰だ、お前。」


綺羅は少女の前へ立つ。

真っ直ぐ男達を見据えたまま、一歩も引かない。


綺羅「女一人囲んでそれしかできないの?」


男達の顔色が変わる。


男②「調子乗んな。ガキが。」


拳を振り上げ、綺羅へ殴り掛かる。

しかし。

ドンッ!!

次の瞬間には男の身体が壁へ叩き付けられていた。


男①「なっ……!」


残る男達も飛び掛かる。

綺羅は一歩も退かない。

避ける。

蹴る。

投げる。

わずか数十秒で、全員が地面へ転がっていた。

少女は震えながら綺羅を見る。


少女「あ……ありがとう……ございます。」


綺羅は優しく笑う。


綺羅「もう大丈夫。早く帰りな。」


少女は何度も頭を下げながら走り去っていった。

その様子を、少し離れた場所で静かに見ていた琉羽が苦笑する。


琉羽「……また始まった。」


綺羅「だって放っとけないじゃん。」


琉羽は肩を竦めながら笑った。


琉羽「そこがお前らしい。」