真央は遠くを見るように続ける。
真央「夜桜は冷静だった。月華は真っ直ぐだった。正反対なのに、不思議なくらい息が合ってた。二人が並べば負けることなんてない。」
那瑠は思わず呟く。
那瑠「……そんなに強かったのか。」
真央は静かに笑う。
真央「強かった。煌月の先代ですら、一目置いてたくらいにな。」
そして、その笑みはゆっくり消えた。
真央「だけど黒焔だけは違った。」
その一言で空気が変わる。
真央は拳を静かに握る。
真央「皇蓮司は真正面から勝負しなかった。何十人もの人数で囲み武器を使い背後から襲って夜桜を……。」
そこまで言って真央は言葉を飲み込む。
倉庫の中が静まり返る。
誰も続きを急かさない。
その続きを聞くことが、どれほど重いことなのか。
全員が感じ始めていた。



