倉庫には重苦しい沈黙が流れていた。

誰もすぐには言葉を発せない。

真央も俯いたまま、小さく息を吐いている。

その時、不意に紫月が静かに口を開いた。


紫月「……そういえば。」


全員の視線が紫月へ向く。

紫月は昨日の光景を思い返すように目を細めた。


紫月「昨日、黒焔の奴らが言ってた。」


真尋「何を?」


紫月「『月華だ』って。」


その一言で、綾人もハッと顔を上げる。


綾人「あ……。」


那瑠「俺も聞いた。」


真尋「そうだ……あいつら、確かに月華って叫んでた。」


昨日は綺羅を止めることしか頭になかった。

だから深く考えていなかった。

でも今なら分かる。

真央が言った綺羅は”月華”だと。

点だったものが、少しずつ一本の線へ繋がっていく。

真尋は真央を見た。


真尋「……どういうことなんだ。夜桜月華って、本当に綺羅だったのか。」