バンッ!!

倉庫の扉が大きな音を立てて開く。

その音で、椅子にもたれたまま眠っていた星那がゆっくり目を覚ました。


星那「……。」


目の前を走り去っていく綺羅。

その横顔は、今まで見たことがないほど苦しそうだった。


真尋「綺羅!」


那瑠「待て!」


誰の声にも振り返らない。

綺羅はそのまま倉庫を飛び出していく。

静寂だけが残った。

真尋は真央へ向き直る。

真尋「……真央さん説明してくれ。」

綾人もゆっくり口を開く。


綾人「琉羽って誰なんだ。」


那瑠「皇蓮司と何があった。」


真央はしばらく黙っていた。

やがて静かに目を閉じ、小さく息を吐く。


真央「……琉羽は。」


その一言で全員が息を呑む。


真央「夜桜の、本当の名前だ。」


真尋達の表情が一変する。

真央は続けた。


真央「そして綺羅は……夜桜と並び、この街で”夜桜月華”と呼ばれていた。もう一人の伝説――月華だ。」

その言葉に、倉庫の空気が一変した。

星那は静かに閉まった扉を見つめる。

綺羅が背負っていたものは、自分達が思っていたより、ずっと重かった。