その時だった。

ギィ……。

倉庫の扉がゆっくり開く。

全員の視線が入口へ向く。

入ってきたのは真央だった。


真央「起きたか。」


穏やかな笑みを浮かべながら倉庫へ入ってくる。

しかし、その笑顔は綺羅の表情を見た瞬間に消えた。


真央「……綺羅?」


綺羅はゆっくり立ち上がる。

真央を真っ直ぐ見つめたまま、静かに口を開いた。


綺羅「真央。黒焔が、この街にいるって本当?」


その一言で、真央の表情が固まる。

煌月のみんなは状況が分からず、二人を交互に見つめていた。

真央だけは理解した。

――誰かが黒焔の名前を口にした。

そして綺羅は、昨日戦った相手が黒焔だったことを知ってしまった。

真央は小さく息を吐く。

最も知られたくなかったことが、とうとう綺羅へ届いてしまった。