綺羅「……どこ。」


小さな声だった。


真尋「え?」


綺羅はゆっくり顔を上げる。

その瞳には、今まで見たことのない強い光が宿っていた。


綺羅「黒焔は……今、どこにいるの。」


真尋達は顔を見合わせる。


那瑠「どこって……。」


綾人「街外れの方で見掛けることはあるけど。」


真尋「縄張りもいくつかあるな。」


誰も深く考えず答えていく。

それを聞く綺羅の胸の中では、止まっていた時間が少しずつ動き始めていた。

(いる。)

(まだ、この街に。)

何年も探した。

どこへ消えたのか分からなかった。

それなのにこんな近くにいたなんて。

綺羅は無意識に拳を強く握り締める。

その様子を見ていた紫月だけが、小さく眉をひそめた。