その一言に、その場の空気が凍り付く。


真尋「……月華?」


那瑠「月華って……。」


綾人も驚いた表情で男を見る。

男は綺羅を指差しながら、恐怖で顔を引きつらせていた。


男「間違いねぇ……!夜桜月華の……月華だ!」


別の男も慌てて身体を起こす。


男「だからあの強さ……。」


男「俺達……月華に手ぇ出しちまったのかよ……。」


その言葉を聞いた紫月の表情が変わる。

夜桜月華(よざくらげっか)

昔、この街で知らない者はいなかった伝説の二人。

どんな相手でも真正面から叩き潰す最強の存在。

しかし数年前、夜桜が命を落とし、月華も姿を消した。

その伝説が、今目の前にいる。

紫月は静かに綺羅を見つめた。


紫月(……そういうことだったのか。)


だから真央は何も話さなかった。

だから綺羅を見た時、どこか引っ掛かった。

すべてが一本の線へ繋がった。