ガンッ!!

鈍い音が響く。

鉄パイプは綺羅の肩を掠め、大きく弾かれた。

それでも男達は止まらない。

倒れた相手を何人も囲み、一斉に武器を振るう。

そんな卑劣な戦い方。

綺羅の瞳が大きく揺れる。

あの日と同じ。

琉羽も、こうして囲まれた。

正面から戦えば負けない相手だった。

それなのに背後から。横から。武器で。何人もで笑いながら。

その光景が、今この瞬間と重なる。


綺羅「やめろ……。」


小さな声だった。

誰にも届かない。


綺羅「やめろぉぉぉッ!!」


その叫びと同時に。

地面を蹴った綺羅の姿が、一瞬で男達の視界から消えた。

その頃少し離れた場所では。


「街で大乱闘が始まってる。」


そんな噂が、煌月の耳にも届こうとしていた。