男⑤「今だ!やれ!」


その声を合図に、男達が一斉に飛び掛かる。

正面。横。背後。四方八方から拳と蹴りが飛んでくる。

普通なら避けきれない。

それでも綺羅は止まらなかった。

拳を避け、相手の懐へ潜り込む。

肘打ち。膝蹴り。回し蹴り。

男達が次々と倒れていく。

それでも数は減らない。


男⑥「武器使え!」


誰かが叫ぶ。

次の瞬間。

鉄パイプ。角材。チェーン。

男達は躊躇なく武器を手にした。

綺羅の身体がぴくりと震える。

――鉄パイプ。

その光景だけで、また記憶が蘇る。


『後ろ!!』


琉羽の叫び。

振り下ろされる鉄パイプ。

背中へ流れる大量の血。


綺羅「……っ!」


胸を押さえ、苦しそうに顔を歪める。


男⑥「今だ!」


また背後から鉄パイプが振り下ろされた。