教室の扉が開いた瞬間にさっきまで騒がしかった教室が一気に静かになった。

……え?

思わず足を止める。

何十人もの視線が一斉にこちらへ向けられていた。

怖い。

いや、本当に怖い。

こんなにたくさんの人に見られることなんて今までなかったし全員男。

逃げたい。とてつもく逃げたい。

今ならまだ間に合うんじゃない?

そんなことを本気で考えていると、桐斗が何事もなかったように教壇へ向かった。

慣れてるな、この人。

私は慣れてない。

全然慣れてない!

桐斗「ホームルーム前に紹介だけしておく」

桐斗の声で教室がざわつく。

いや、もう十分ざわついてるけど。


桐斗「今日からこのクラスに転校生が来た」


その瞬間だった。

教室中の視線がさらに集中する。

なんで?

まだ何もしてないんだけど。

というか入ってきただけなんだけど。


桐斗「自己紹介して」


桐斗に呼ばれ、仕方なく前へ出る。

教壇の前に立った瞬間、さらに視線が増えた気がした。

居心地が悪い。ものすごく悪い。

あーすでに帰りたい。