どうやら本当らしい。

真央「嫌そうな顔してんな」


綺羅「してない」


真央「してる」


真央が即答した。

桐斗は苦笑しながら「よろしくな」と言う。

その一言だけなのに、少しだけ肩の力が抜けた。知らない人ばかりの場所だと思っていたから。

真央と桐斗がいる。それだけで不思議と心強かった。


真央「さて、説明の続きだが月ヶ瀬学園は進学校だが、普通の学校じゃねぇ」


さっきも聞いた言葉だ。私は黙って続きを待つ。


真央「さっきも言ったが女子はお前一人だけだ」


冗談だと本気で思ってたんだけどほんとにいないんだ。
あまりにもあっさり返される。

確かに普通じゃないとは思っていたけど、でも想像していた方向と違う。

男しかいない学校なんて聞いたことがない。頭が痛くなってきた。

ただでさえ人付き合いが苦手なのに、そんな場所で上手くやっていける気がしなかった。

帰りたい。

一瞬本気でそう思ったけど、すぐにその考えを打ち消す。

ここへ来ると決めたのは私だし普通の女の子として生きると決めたのも私だ。

前へ進むために。

大きく息を吐くと、桐斗がそっと私を見て『大丈夫だ』って言ってくれた。


その言葉は不思議と真っ直ぐ胸に届いた。

根拠なんてないはずなのに、少しだけ不安が和らぐ。


桐斗「そろそろ教室行くか」


桐斗が立ち上がる。

ついにその時が来たらしい。

私は小さく頷き、静かに席を立った。