綺羅「……私には無理かも。」


小さく笑いながら呟く。


綺羅「何もしないと、落ち着かない。何かしてないと自分が駄目になる気がして……」


その言葉を聞いて、星那は少しだけ考えるように黙り込む。

そして、ココアの缶を机へ置くと、ゆっくり口を開いた。


星那「じゃあ。」


綺羅「?」


星那「何もしない練習。」


綺羅「……練習?」


星那は頷く。


星那「今日は俺と一緒に何もしない」


あまりにも真面目な顔で言うものだから、綺羅は思わず吹き出した。


綺羅「何それ。」


星那「大事。」


綺羅「ふふっ……。」


また笑ってしまう。

星那はその笑顔を見ると、小さく口元を緩めた。

自分では笑ったつもりはない。

だけど、綺羅はその変化をちゃんと見ていた。