倉庫の外からは、遠くを走る車の音だけが聞こえてくる。
静かな時間だった。
綺羅は窓の外を眺めながら、小さく息を吐く。
綺羅「……こんな時間、久しぶりかも。」
星那「久しぶり?」
綺羅は少しだけ困ったように笑った。
綺羅「何もしない時間。昔はそれが嫌いだった。止まると色々考えちゃうから。」
その声は小さく、それ以上は話さなかった。
星那も無理に聞こうとはしない。
ただ静かに隣へ座ったまま、綺羅と同じ景色を見る。
しばらく沈黙が続いたあと、星那がぽつりと呟いた。
星那「俺は好き。」
綺羅「……え?」
星那「こういう時間。なにもしなくていいから」
綺羅は思わず星那を見る。
その横顔は相変わらず眠そうで、感情なんてほとんど表に出ていない。
だけど、その言葉だけは不思議なくらい優しかった。



