笑い合ったあと、二人の間に穏やかな沈黙が流れる。
その沈黙さえ心地よかった。
星那は何気なく綺羅へ視線を向ける。
昨日までの綺羅なら、こんな風に笑うことはなかった。
どこか張り詰めていて、近寄れば壊れてしまいそうだった。
でも今は違う。
少しだけ柔らかい表情を見せるようになっていた。
その変化を見ていると、胸の奥がじんわり温かくなる。
星那(……笑ってる方がいい。)
その言葉は口には出さない。
自分でも、どうしてそう思ったのか分からないから。
綺羅はそんな視線に気付くことなく、窓の外を見つめていた。
綺羅「……今日は、いい天気だね。」
星那「うん。」
それだけの会話。
それだけなのに、二人の間には昨日までなかった優しい空気が静かに流れていた。



