その時だった。

眠ったままの星那が、小さく身体を動かす。


綺羅「……!」


ぎゅっ、と。

無意識のまま綺羅の肩へもう少し体重を預けてきた。

距離がさらに近くなる。

綺羅の心臓が大きく跳ねた。


綺羅「ちょっ……。」


動こうにも動けない。

起こしたら悪い気がする。でもこの距離は近すぎる。

困っている綺羅を見て、那瑠は堪えきれず笑い出した。


那瑠「綺羅、固まってる。」


真尋も笑いながら言う。


真尋「安心しろ。そいつ、今なら雷落ちても起きねえ」


綾人も頷いた。


綾人「だから肩くらい貸してやって。」


綺羅は困ったように小さく笑う。


綺羅「……しょうがないな。」


そう呟くと、起こさないよう少しだけ肩の力を抜いた。

すると星那は安心したように小さく息をつき、眠ったまま穏やかな表情を浮かべる。

その寝顔を見つめながら、綺羅は胸の奥がじんわり温かくなるのを感じていた。

――どうしてだろう。

昨日会ったばかりの人なのに。

こうして隣にいる時間が、少しずつ特別なものになり始めていた。