「外せないなんて……やっぱり私のこと、体のどこかで……覚えてくれてるんだよ……っ」
それだけで、私は今幸せだった。
私は涙をポロポロとこぼしながら、彼に向かってとびきりの満面の笑みを向けた。
「私の想いの強さ、すごいでしょ?
私の叶斗くんを想う気持ちは最強なんだからっ!
どーだっ!参ったかぁ!ふふふっ!」
あの日と同じ台詞を言う私に、叶斗くんは一瞬だけ目を見開くと、視線を逸らした。少しだけ叶斗くんの耳が赤くて、懐かしい気持ちになってあの頃とおなじ台詞をまた繰り返す。
「…まぢで何言ってんのか意味わかんねぇ…」
「ふふっ、叶斗くん照れてる〜っ!」
「あ?生意気っ!照れてねぇよ」
やっぱりれいくんは叶斗くんだ。あの日と同じ台詞が返ってくる。
だけど、今日も叶斗くんは頭を痛がりだす。
「…うっ…痛ぇ……くそっ…お前といるとまぢ頭痛くなるんだよっ……お前まぢでなんなわけ?」
「…ご、ごめんっ、大丈夫?」
心配で私は叶斗くんに近寄り顔を覗き込むと、苦しそうに顔を歪ませる叶斗くんは私から視線をそらした。
「…痛すぎてやべぇ……わりぃけど帰るわ……また明日な」
叶斗くんは、心配する私を他所にそれだけ言い残しフラフラしながら帰って行ってしまった。
本当はまだまだ話したい一ヶ月なんてあっという間だそれまでに…なんとかっ
「叶斗くん…少しは思い出してくれませんか……」
私の小さなつぶやきは誰もいない静かな夕暮れの中に溶けていった。



