中庭を通った時だった。 前から女子生徒が二人歩いてくる。 「あっ!」 一人が嬉しそうな声を上げた。 「白石くん!」 でも。 白石くんは足を止めない。 「今日もかっこいい!」 「よかったら今度――」 女子が言いかけた時。 「興味ない」 白石くんはそれだけ言った。 そのまま通り過ぎる。 女子達は固まっていた。 私は思わず振り返る。 容赦ない。 本当に容赦ない。