私だけが知っている、君の秘密


その時玲夜がこちらを見る。

「あ」

目が合った。

嫌な予感がする。

玲夜は女子達をかき分けながら近付いてきた。

玲夜「転校生ちゃん」

急に声をかけられてびっくりして固まる。

距離が近いよ。

近すぎる。

玲夜「天音うるあちゃん、だっけ?」

うるあ「え、はい……」

玲夜はアイドルスマイルでにこっと笑った。

玲夜「可愛いね」

私はあまりの近さに思わず後ずさる。

美月は隣で顔を真っ赤にしていた。

うるあ「い、一ノ瀬くん!」

玲夜「何?」

うるあ「近いです!」

玲夜は笑う。

玲夜「そう?」

本人は全然気にしていない。

その時後ろから声がした。

珀翔「玲夜」

低い声がして振り返るとそこには白石くんがいた。

珀翔「仕事」

一言だけ。

玲夜は大げさにため息をつく。

玲夜「はいはい」

そしてまた私を見て

玲夜「またね、転校生ちゃん」

手を振りながら去っていった。

急に近づいてきてさっといなくなるなんてまるで嵐みたいな人だった。