私だけが知っている、君の秘密

振り返った白石くんに写真を差し出す。

うるあ「落としたよ」

すると白石くんの表情が一気に変わった。

常に無表情だった彼の初めて見る顔だった。

驚いたような焦ったようなそんな顔。

珀翔「……どこにあった」

声が少しだけ低い。

うるあ「そこに」

私は写真を見ないようにしながら答えた。

大切な物なんだろうなと思ったから。

白石くんは写真を受け取る。

珀翔「ありがと」

小さな声だった。

そしてすぐにパッと目を逸らす。

私は少しだけ驚いた。

初めてお礼を言われた。

珀翔「じゃあ」

白石くんは写真をポケットにしまってすぐに去ろうとした。

でも、写真のことが私は気になって話しかけた。

うるあ「その写真」

白石くんの足が止まる。

しまった。

聞いちゃいけなかったかな。

うるあ「……何でもない」

私は慌てて笑った。

すると白石くんは少しだけ黙り込んで結局何も言わずにそのまま歩いていく。

夕日に照らされた背中は、少しだけ寂しそうに見えた。