男子はゆっくりこちらへ歩いてくる。 近くで見ると驚くほど整った顔だった。 女子達が騒ぐ理由も分かる。 でも。 表情は冷たい。 「白石珀翔」 短い自己紹介。 それだけだった。 私は慌てて頭を下げる。 「よろしくお願いします」 しかし。 返事はない。 無表情のまま視線を逸らされた。 私は思わず固まる。 (もしかして……) (近寄りがたいって本当なんだ) そんなことを思いながら、白石珀翔の背中を見つめた。