私だけが知っている、君の秘密


中庭を通った時、前から女子生徒が二人歩いてくる。

「あっ!」

一人が嬉しそうな声を上げた。

「白石くん!」

でも白石くんは女の子なんか気にせずすたすた歩いていく。

「今日もかっこいい!」

「よかったら今度――」

女子が言いかけた時。

「興味ない」

白石くんはそれだけ言って顔も見ずにそのまま通り過ぎる。

私は思わず振り返って女の子達を見る。

冷たすぎる態度に女の子達は固まっていた。

容赦ない。

本当に容赦がなさすぎる。

校内案内が終わる頃には空が少し赤く染まっていた。

珀翔「これで終わり」

白石くんが言う。

うるあ「ありがとう」

私は笑った。

ちゃんとお礼を言いたかった。

お礼を言った私に白石くんは少し驚いた顔をした。

ほんの一瞬だけ。

すぐにいつもの無表情に戻る。

珀翔「別に」

そう言って背を向けた。

私はその背中を見送る。

冷たい人。

でも本当にそれだけなのかな。

そんなことを思いながら去っていく白石くんの背中を見ていたその時だった。

白石くんのポケットから何かがヒラっと落ちる。

本人は何かが落ちた事に気付いていない。

私は慌てて拾って白石くんに駆け寄って声をかけた。

「白石くん!」

拾い上げた物を見て、私は足を止める。

それは――とても古びた写真だった。