数秒の沈黙。 そして。 「……それは伊織と玲夜のおかげだろ」 珀翔はそう言った。 私は思わず笑う。 「白石くんもいたよ」 その瞬間。 珀翔が固まった。 本当に一瞬だけ。 そして視線を逸らす。 「帰る」 それだけ言って歩き出した。 でも。 私は見逃さなかった。 夕日に照らされた耳が。 少しだけ赤かったことを。