美月「うるあ!」
昼休みになると、美月はすぐに私の席へやって来た。
美月「うちの学校の有名人知ってる?」
私は首を傾げる。
うるあ「有名人?」
美月「生徒会!!」
美月は興奮するように私の机を叩いた。
「生徒会長の如月朔斗!副会長の一ノ瀬玲夜!会計の朝比奈伊織!書記の白石珀翔!」
次々と名前が飛び出す。
「学園の王子様って呼ばれてるんだよ!みんなイケメンで人気者!」
へぇ。そんな人達がいるんだ。
「特にうちのクラスにいる白石くん!」
美月は声を潜めた。
美月「超イケメンだけど、めちゃくちゃ冷たいの。女子が話しかけても全然相手にしないし近寄りがたいって有名」
私は少し笑った。
うるあ「そんな人いるの?」
美月「いるの!」
美月は真剣そのものだ。
五時間目が終わった頃。
担任に呼び止められた。
先生「天音」
うるあ「はい」
先生「午前中は手続きで案内できなかったからな」
そういえばまだ校内をよく知らない。
先生「白石」
担任が教室の後ろを見る。
私はつられて振り返ると窓際の席から一人の男子が立ち上がる。
銀色がかった髪に整った横顔にどこか冷たい雰囲気。
教室が少しざわつく。
先生「天音の校内案内を頼む」
その男子は一瞬だけ嫌そうな顔をした。
「……分かりました」
低い声が響く。
私は目を瞬かせた。
もしかして――。



