放課後になり私は寮へ向かっていた。
その途中で中庭のベンチに座る珀翔が見えた。
一人で静かに本を読んでいる。
相変わらず近寄りがたいオーラが漂ってるけど昨日より少しだけ気になって私は立ち止まる。
その時珀翔が顔を上げてまた目が合った。
数秒間沈黙が続いた。
そして。
珀翔「……何」
初めて向こうから話しかけられた。
私は驚いて目を見開く。
まさか向こうから話しかけてきてくれるなんて驚きだ。
うるあ「えっと……」
何て言えばいいんだろう。
ただ見ていただけなんて言えないし私は慌てて言葉を探した。
うるあ「本、好きなんだなって」
我ながら変な返事だった。
でも白石くんは意外にも何も言わなかった。
珀翔「別に」
そっけない返事だけどすぐ立ち去ろうとはしない。
私は少しだけ勇気を出した。
うるあ「何読んでるの?」
白石くんは本の表紙を見る。
珀翔「小説」
うるあ「面白い?」
珀翔「普通」
やっぱり会話が続かない。
私はまた笑ってしまった。
すると白石くんが眉をひそめる。
珀翔「何だ」
うるあ「いや」
私は首を振る。
うるあ「白石くんって面白いなって」



