首を振って指を避けると、くすくす悪戯な顔で笑うしょーくんと目が合う。
何しやがるんだこのいたずらっ子め!
「か、カスタマーハラスメント!逮捕するぞ!」
「いやそこはセクハラじゃね?逮捕する前に訴えろよ」
「うっ、穿ったご意見どうも!!」
むっと睨みつけて威嚇するけど無意味なのは熟知。
手が離せないのをいい事に調子に乗りやがって!
その指にも針ぶっ刺しちゃうぞ!
という物騒なことは胸の奥にしまい、最後の採血管に血が溜まったのを確認して速やかに針を抜く。
テープを貼って決まり文句しておしまい。
「はい、ここ3分くらい押さえておいてくださいねー」
ふう。あとは検査着に替えてもらって、放射線科に引き継ぐだけだ。
「これ今日の?」
サイドテーブルに準備しておいた検査着を手に取りながら尋ねるしょーくん。
「うん、着替え終わったらナースコールで呼んでね、外で待ってますから。……って、ちょっと待って!」



