レディ・マーメイド

黒木が自分の推理を話し終えると、電話の向こうで亜紋が長く息を吐く。

「それだな。黒木、望みは薄いが2日前のパーティーで使われたコースターの廃棄場所を探ってくれ。ただし樹莉の安全は確保しろ」
「承知しました」

廊下の片隅で電話を切ると、そっと会場の扉を開いて中を覗く。

樹莉は周りのスタッフと笑顔で片付けを進めていた。

会場から全てのテーブルや椅子が運び出されると、スタッフは輪になって集まる。

今日の反省点と明日の予定を確認し、「お疲れ様でした!」と解散した。

どうやら樹莉の勤務時間はこれで終了らしい。

ワイワイと賑やかにバックヤードに向かう樹莉に、黒木はスマートフォンでメッセージを送った。

【お疲れ様でした。ロビーでお待ちしています】