200文字でゾッ!こわい短編集ー全23話ー

放課後の音楽室。

一人でピアノの練習をしていると、
私が弾いていないはずの低い和音が不意に響いた。

振り返っても誰もいない。
気のせいかと鍵盤に向き直ると、
今度はすぐ耳元でメトロノームの
「カチ、カチ」という音が規則正しく鳴り始めた。

おかしい。

この音楽室のメトロノームは、先週すべて廃棄されたはずだ。

硬直する私の耳元で、その音は次第に、
何者かの湿った「舌打ち」へと変わっていった。